塔2017年6月 月詠

吐く息が重たい雪に混じってたあの日の長い長い家まで

安否問う父の電話に「今、生協。食べられるものほとんどないよ」

母不在三人だけで雑魚寝するこたつの上でラジオがしゃべる

こたつの夜家族三人寝られずにラジオが遠い余震が近い

帰宅して水はもらえた膝をつくだいたい五時の知らない星座

吾も同じ抑揚のない話し方してたかんぱん食べて気づいた

三月のままのあの子は二十一海に花束捧げて祈る

黙祷でじんわりまぶたの裏側に恐怖の渦が再生される