塔2017年2月 月詠

キミと指おずおずからむジッポーで器用に心に火を点けられて

何回か目を合わせてはそらしてる太陽直視できないみたいに

仙台は寒いかなどと伊勢に住む朔日餅を買う祖母の問う

内宮で暮れる日差しを見て叫びたいほど孤独のおかげ横丁

さむざむと夜露に濡れて晴れ渡る伯母の車に立冬がくる

大正に生まれ遠くに住んでいる祖母の記憶にわたしはいない

文章のインクから咲く花々がどうか枯れないようにと祈る